宇宙で最も不可解な星
タビー星の謎
この星の「何が謎」なのか?
地球から1,470光年先、はくちょう座の方角に、ごく普通のF型恒星がある。ところがこの星は、予告なく最大22%も光が弱くなる。惑星が前を横切っても、せいぜい1%しか暗くならないのが宇宙の常識だ。しかもその減光パターンは完全にランダムで、数日で終わることもあれば数週間続くこともある。さらに、過去130年以上にわたって星全体の明るさがゆっくりと暗くなり続けている。あらゆる仮説が提唱され、あらゆる仮説が完全には当てはまらない。2024年時点で、この星の振る舞いを全て説明できる理論は、まだ存在しない。
光が消えた日
2009年、NASAはケプラー宇宙望遠鏡を打ち上げた。ミッションは単純明快だった。宇宙の一角をじっと見つめ続け、15万個以上の星の明るさの変化を記録する。星の前を惑星が横切れば、ほんのわずかに光が弱くなる。その微細な明滅を捉えて、太陽系外の惑星を見つけ出す計画だった。
NASAの開発チームは高度なアルゴリズムを組み上げ、膨大なデータの中から惑星のトランジット(通過)信号を自動的に抽出していた。しかし、イェール大学の天文学者たちはある疑問を抱いた。「コンピューターが見落としているものがあるのではないか?」
そこで生まれたのが、Planet Hunters(プラネット・ハンターズ)というプロジェクトだ。一般の人々にケプラーのデータを見てもらい、人間の目でパターンを探す。30万人以上のボランティアが参加した、史上最大規模の市民科学プロジェクトのひとつである。
そしてこのプロジェクトの参加者たちが──ダリル、キアン、エイブ、サムという4人の市民科学者が──見つけてしまったのだ。コンピューターが完全に見逃していた、あまりにも異常な光の曲線を。
それは、周期的に現れる惑星の影ではなかった。何日も、時には何週間も、不規則に星の光が落ち込む。その深さも形も、天文学者たちが見たことのないものだった。この星の正式名称はKIC 8462852。ケプラー入力カタログに記載されたただの番号だ。しかしやがて、この星は発見報告の筆頭著者であるイェール大学のポスドク研究者の名前を取って、「タビー星」と呼ばれるようになる。
発見者タベサ・ボヤジアンの同僚、ペンシルベニア州立大学のジェイソン・ライトがインタビューの中でうっかり「Tabby’s Star(タビーの星)」と呼んだのが名前の由来。本人は最初このニックネームを嫌がっていたという逸話がある。
この星の発見について、ボヤジアン自身はこう述べている。「最初に光度曲線を見たとき、どの科学者も『いや、これは本物じゃないだろう』と言うでしょう。あまりにも常識外れだったから」。しかし市民科学者たちの目は確かだった。コンピューターは「周期的な信号」を探すよう設計されていたが、この星の異常は周期性をまったく持たなかった。だからこそ、人間の直感だけが捉えることができた。
タビー星は、自身のRedditサブレディットを持つおそらく唯一の恒星だ。市民科学者たちがデータの分析や議論を続けるコミュニティが今も活動している。
平凡な星、非凡な振る舞い
タビー星そのものは、実はきわめて「普通」の星だ。天文学的な分類ではF型主系列星──私たちの太陽よりも約50%大きく、約1,000度熱い。色は黄白色で、はくちょう座の中で十字架を描く「北十字」のデネブとデルタ星のちょうど中間あたりに位置する。
比較のために言えば、太陽から地球までの距離は約8.5光「分」、最も近い恒星プロキシマ・ケンタウリまでが4.2光年だ。タビー星はそれよりもはるかに遠い場所にある。肉眼では見ることができず、口径13cm以上の望遠鏡を暗い場所で使ってやっと見える程度の明るさ(見かけの等級11.7等)しかない。
2021年、タビー星から約880天文単位(太陽からボイジャー1号までの距離の約5.3倍)離れた位置に、一緒に移動している赤色矮星の伴星が確認された。つまり、タビー星はれっきとした連星系の一部でもある。しかし、この伴星の存在だけでは謎の減光は説明できない。
重要なのは、この星が「若い星」ではないということだ。若い星であればまだ周囲に原始惑星系円盤のガスや塵が残っていて、不規則な明滅を起こしてもおかしくない。しかしタビー星は成熟した恒星であり、本来なら徐々に明るくなっていく段階にある。暗くなるどころか、むしろ明るくなるべき星なのだ。
タビー星の正式名称候補には、KIC番号のほか「TYC 3162-665-1」(ティコ2カタログ)、「2MASS J20061546+4427248」(2MASS赤外線サーベイ)など複数あるが、国際天文学連合(IAU)が正式に承認した固有名は現在もない。
前代未聞の減光パターン
ケプラー望遠鏡は2009年から4年間、タビー星を監視し続けた。そのデータが示したのは、天文学の常識を完全に覆す光度曲線だった。
2011年3月、タビー星の光が15%も落ちた。それだけでも異常だった。しかし本当の衝撃は2013年2月に訪れた。約100日間にわたって、複雑に入り組んだ無数の減光が観測されたのだ。鋭いV字型の落ち込み、なだらかな幅広い落ち込み、その形状は一つとして同じではなかった。
通常、惑星がトランジットすると光度曲線には滑らかなU字型のくぼみが現れる。それは円形の天体が星面を横切る際の幾何学的な結果だ。しかしタビー星の減光は非対称で、通過する何かが円形ではないことを示していた。
さらに深刻な問題がある。天文学者ブラッドリー・シェーファーが19世紀末からの写真乾板を調べたところ、タビー星は1890年から1989年の100年間で約14〜20%も暗くなっていたことが判明した。ケプラーの4年間のデータでも約3%の暗化が確認された。「100年で20%なら、4年で3%も辻褄が合う」とボヤジアンは苦笑交じりに語っている。
この発見で、天文学者たちはもう一つの謎と向き合うことになった。短期的な不規則減光だけでなく、長期的に暗くなり続けているという事実を、ひとつの理論で同時に説明しなければならなくなったのだ。
2017年のリアルタイム減光観測では、クラウドファンディングの支援者たちが各減光イベントに名前をつけた。エルシー(Elsie)、セレステ(Celeste)、スカラ・ブレイ(Scara Brae)、アンコール(Angkor)──宇宙の謎に古代遺跡の名を冠するセンスが光る。
WTF Star──名前からして只者じゃない
2015年9月、ボヤジアンと市民科学者たちの共同論文がプレプリントとして公開された。この論文のサブタイトルが “Where’s the Flux?”(光束はどこへ?) だった。学術論文としては型破りなこのフレーズは、そのまま略されて WTF Star というニックネームになった。天文学者のユーモアと、この星に対する純粋な困惑が詰まった名前だ。
論文は多くのシナリオを検討していた。星自体の活動(黒点の自転など)による内因的な変動、あるいは小惑星帯、惑星衝突、巨大なリングを持つ天体の通過といった外因的なシナリオ。しかしどの仮説も、観測データの一部は説明できても、すべてを矛盾なく説明することはできなかった。
そしてこの論文をきっかけに、アトランティック誌が「銀河系で最も不思議な星」と大々的に報じたことで、タビー星は一夜にして世界的な話題になった。しかもその記事の中で紹介されたのが──あの仮説だった。
タビー星には “LGM-2” というニックネームもある。これは史上初のパルサー「PSR B1919+21」が発見された際、宇宙人の信号かと疑われて「LGM-1(Little Green Men 1)」と名付けられたことへのオマージュだ。
ダイソン球──
エイリアンの巨大建造物
1960年、イギリス生まれの理論物理学者フリーマン・ダイソンは、科学誌サイエンスに一本の論文を発表した。その核心にあったアイデアは、実にシンプルだった。十分に発展した文明は、いずれ母星のエネルギーだけでは足りなくなる。ならば、恒星そのものを巨大な構造物で取り囲んで、その放射エネルギーを丸ごと回収すればいい。
この概念はのちに「ダイソン球」と呼ばれるようになった。ただし、ダイソン自身は硬い殻で星を覆うことは物理的に不可能だと考えていた。彼が構想したのは、10万個以上のエネルギー回収装置が独立した軌道で星の周りを飛び回る「ダイソン・スウォーム」──巨大な太陽パネルの群れだった。
1964年、ソ連の天体物理学者ニコライ・カルダシェフは、文明をそのエネルギー消費量で分類する「カルダシェフ・スケール」を提唱した。タイプIは惑星全体のエネルギーを制御する文明(人類はまだ0.73程度)、タイプIIは恒星全体のエネルギーを制御する文明、タイプIIIは銀河全体のエネルギーを制御する文明だ。ダイソン球を建設できるのは、少なくともタイプIIに達した文明ということになる。
そして2015年、ペンシルベニア州立大学の天文学者ジェイソン・ライトがタビー星のデータを見たとき、彼はこう考えた。「エイリアンは常に最後に検討すべき仮説だ。しかしこのデータは、まさにエイリアン文明が建設するものに見える」。ライトの主張は慎重なものだったが、メディアは一気に火がついた。「宇宙人の巨大建造物か?」──見出しは世界を駆け巡った。
「ボヤジアンにデータを見せられたとき、そのクレイジーさに釘付けになった。エイリアンは常に最後の仮説であるべきだ。しかしこれは、エイリアン文明が建造するものに見える」
しかしダイソン球仮説には大きな弱点があった。基本物理学によれば、星のエネルギーを吸収した構造物は、必ずその余剰エネルギーを赤外線の形で放出しなければならない。つまりダイソン球があれば、赤外線の超過放射(赤外超過)が検出されるはずだ。しかしタビー星にはそれが見られなかった。
実はダイソン球のアイデアの原型は、ダイソンより前の1937年に書かれたオラフ・ステープルドンのSF小説『スターメイカー』に登場する。ダイソン自身もこの本からインスピレーションを得たと認めており、「ステープルドン球」と呼ぶべきだったと述べている。
ダイソン球を実際に建設するにはどれだけの資材が必要か?太陽の距離に10%のエネルギーを回収する球殻を作るだけで、地球10億個分の表面積が必要になる。厚さ10kmに抑えても地球100万個分の物質が必要だ。しかし太陽系全体の固体物質はたった地球100個分しかない。
エイリアン否定への道
ダイソン球仮説が世界の注目を集めると、科学者たちは直ちに検証に乗り出した。SETI研究所はカリフォルニアのアレン望遠鏡アレイで2週間以上にわたりタビー星の方角から人工的な電波信号を探した。狭帯域の通信信号だけでなく、巨大宇宙船が発する広帯域の放射まで探索した。結果は──何も見つからなかった。
パナマのボケテ光学SETI観測所では、レーザーパルスの探索も行われた。もしこの星系に高度な文明があるなら、電波だけでなく光通信を使っている可能性もある。しかし、こちらも空振りだった。
そして決定的な証拠が、2016年から2017年にかけての多波長観測から得られた。ボヤジアンをはじめとする200人以上の研究チームが、世界中の望遠鏡ネットワーク「ラス・クンブレス天文台」を使ってタビー星をリアルタイムで監視した。このネットワークは6か所に18台のロボット望遠鏡を配置し、24時間体制で観測できる体制だった。そしてこの観測資金のかなりの部分が、Kickstarterで集まった10万ドル以上の寄付で賄われた。
「リアルタイムで減光を捉えたとき、すべての波長で同じ深さの落ち込みが起きるかどうかを確かめたかった。もし同じなら、それは不透明な固体──惑星か、星か、あるいは巨大構造物だ」
しかし結果は逆だった。紫外線での減光が赤外線よりもはるかに深かった。これは決定的な意味を持つ。日常的な例えで言えば──ビーチで傘の下に入ると、すべての色の光が均等に遮られる。しかし夕日が赤く見えるのは、大気中の微粒子が青や紫外の光を散乱させるからだ。タビー星で起きていたのはまさに後者だった。つまり、光を遮っているのは固体の構造物ではなく、微細な塵だった。
アリゾナ大学のフアン・メンを筆頭とする研究チームは、NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡とスウィフト宇宙望遠鏡のデータを使ってこの結論を裏付けた。「これでエイリアン巨大構造物の仮説はほぼ否定される。波長に依存した減光は説明できないからだ」とメンは明言した。
観測資金を集めたKickstarterキャンペーンには1,700人以上の支援者が参加し、1年分の望遠鏡使用時間を確保できた。宇宙の謎がクラウドファンディングで解かれるという、まさに21世紀の天文学の姿だ。
仮説の森──
何が光を奪っているのか
エイリアン巨大構造物が否定されたなら、何がタビー星の光を遮っているのか? 天文学者たちはさまざまな自然現象による仮説を提唱してきた。しかし、どれもが「部分的には説明できるが、すべては説明できない」という壁にぶつかる。
彗星群の通過
ボヤジアンの最初の仮説。大量の彗星の破片が不規則に星の前を横切っている。短期的な減光には有力だが、100年にわたる暗化の説明には彗星が多すぎて赤外超過が出るはず。
△ 部分的に有効不均一な塵のリング
NASAのスピッツァーが示唆する有力仮説。星の周囲を約700日周期で周回する不均一な塵の雲。波長依存の減光を説明できるが、塵の供給源が不明。
◎ 最有力候補惑星を飲み込んだ
コロンビア大学のメツガーが提唱。タビー星が最近惑星を捕食し、その余波で明るさが「元に戻る」途中にある。大胆だが、検証が難しい。
△ 検証中巨大リング惑星+トロヤ群
木星半径4.7倍の巨大リング惑星とそのトロヤ群小惑星がセットで通過する説。2021年と2023年に再減光を予測したが、十分な確認は得られていない。
△ 予測未確認ダイソン球(エイリアン建造物)
波長依存の減光により「不透明な固体」は否定。赤外超過もなし。電波・レーザー信号も未検出。ただし完全には否定不能で、SETI対象として監視は継続。
✕ ほぼ否定星自身の内部変動
2017年以降に浮上した仮説。星の内部で熱輸送効率が変化し、明るさ自体が変動している可能性。2017年のデータとも整合するが、22%もの急激な減光は説明困難。
△ 研究進行中溶ける衛星──
最も美しい仮説
2019年9月、コロンビア大学の天体物理学者ブライアン・メツガー、ミゲル・マルティネス、ニコラス・ストーンの3人が、これまでで最も包括的な仮説を発表した。その主役は──溶けゆく系外衛星(エクソムーン)だ。
シナリオはこうだ。かつてタビー星の近くに巨大ガス惑星が存在していた。その惑星はある時、軌道の摂動によって星に近づきすぎ、破壊された。しかしその惑星を周回していた氷の衛星は、約10%の確率で星に衝突もせず系外に弾き出されることもなく、タビー星の周りを回る新しい軌道に捕らえられた。
この「孤児になった衛星」──プルーネット(ploonet)とも呼ばれる──は、新しい軌道で恒星の強烈な放射に晒される。すると衛星の外層──氷、ガス、炭素質の岩石──が剥ぎ取られ、巨大な彗星のようにダストとガスを宇宙空間に放出し続ける。
「この系外衛星は、蒸発して岩石を宇宙に吐き出す氷の彗星のようなものだ。いずれ完全に蒸発するが、それには数百万年かかる。我々はその蒸発の現場を目撃できる幸運に恵まれている」
このモデルの美しさは、タビー星の両方の謎を同時に説明できる点にある。小さな塵の粒子が恒星風で吹き飛ばされて塵雲を形成し、それが地球とタビー星の間を通過するとき、短期的で不規則な減光が起きる。一方、より大きな粒子は衛星の軌道を受け継いで塵の円盤を形成し、この円盤が星の光を持続的に遮ることで長期的な暗化が進行する。
塵が青い光を赤い光よりも強く散乱させるという性質も、波長依存の減光パターンと完全に一致する。
もしこの仮説が正しければ、それは同時に系外衛星の存在を示す初の間接的証拠にもなる。太陽系の衛星の数を考えれば、系外衛星は宇宙のいたるところにあるはずだが、小さすぎて現在の技術では直接検出がほぼ不可能だ。タビー星は、その見えない衛星の「断末魔」を私たちに見せてくれているのかもしれない。
「プルーネット(ploonet)」という造語は「planet(惑星)」と「moon(衛星)」を組み合わせたもの。惑星から引き離されて自由になった衛星を指す。親惑星を失った孤児のような天体だ。
タビー星は孤独じゃなかった
長い間、タビー星は宇宙で唯一無二の存在だと考えられてきた。他に類似の振る舞いを見せる星が見つかれば、謎解きの手がかりになる。もし同じタイプの星ばかり、あるいは同じ環境にある星ばかりが同様の減光を示すなら、原因を絞り込めるからだ。
2019年、天文学者エリック・シュミットは、全天自動サーベイ(ASAS-SN)のデータからタビー星に似た振る舞いを見せる星を探索した。その結果、15個の「ゆっくり暗くなる星」と、さらに6個の「もっと極端に暗くなる星」──合計21個の類似天体が見つかった。
これらの星は、タビー星と同じく減光に周期性がなく、落ち込みの深さもまちまちだった。シュミットはこう語っている。「減光の原因は通過する天体だと思うが、それだけでは長期的な暗化は説明できない。通過する天体はおそらく塵だが、すべてを説明するにはまだ遠い」。
しかしタビー星と他の「不思議な減光星」の間には明確な違いもある。若い星の不規則減光(YSOディッパー)は、減光パターンが異なる。EPIC 204376071は一度の減光で80%も暗くなったが、それはリングを持つ巨大天体が通過した一回限りのイベントだった。EPIC 249706694は不規則なタイミングで減光するが、深さはほぼ一定だ。タビー星の「深さも時期もすべてがランダム」という特徴は、やはり特異的なのだ。
今後、ヴェラ・C・ルービン天文台が稼働すれば、数百万個の星を同時に監視して不規則な減光を自動フラグできるようになる。タビー星の「仲間」が一気に増える可能性がある。
なぜ、まだ解けないのか
タビー星の謎が10年以上解けない最大の理由は、この星の振る舞いが複数の異常の重ね合わせであることだ。短期的な不規則減光、波長依存の明滅、そして100年以上にわたる緩やかな暗化──これらすべてを一つの理論で矛盾なく説明できたものはない。
塵の存在はほぼ確実視されている。しかし、その塵がどこから来たのかが問題だ。彗星群なのか、破壊された惑星の残骸なのか、溶けゆく系外衛星なのか。あるいは星自身の内部で何かが起きているのか。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)は、赤外線で塵の組成や温度を直接調べることができる。もし系外衛星の仮説が正しければ、氷や有機化合物の痕跡が見つかるはずだ。岩石の破片で形成されたリングなら、鉱物のスペクトルが現れる。
ボヤジアンはこう語っている。「星はあらゆることをする。自転して黒点を見せ、脈動し、連星を作り、フレアを起こす。しかしタビー星と同じ振る舞いを見せる他の星は、すべて説明がついていた。この星だけが違う」。そして彼女はこう付け加える。「答えがわかっているなら、こんな研究はしないでしょう?」
タビー星は、まだケプラー望遠鏡が同じ領域を見ていた頃のデータが唯一の高精度記録だ。ケプラーが2018年に燃料切れで運用終了した後は、地上望遠鏡とアマチュア天文家のネットワークが監視を引き継いでいる。NASAのTESSミッションの視野には含まれていない。
いまも揺らぎ続けている。
エイリアンの巨大建造物か、溶ける孤児の衛星か、それとも人類がまだ想像すらしていない何かか。タビー星の謎は、宇宙が「わからない」を突きつけてくる、最も魅力的な挑戦状だ。

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